●製品の紹介

「幻惑の妖精」

妖精に誘われて、おとずれた楽園。甘美に満ちた世界で、うっとりするような愉悦に浸りながら、頭の片隅ではずっと警鐘が鳴りやまない。まるで、それが現実ではないことを知らせるように。
甘美でありながら不協和、実体と虚構のはざまを、香りで表現した作品です。

本作では、アーティスト森雅樹（Masaki Mori）氏による作品を、アートワークに投影しています。

●成分
エタノール、香料

香り

●香調
アロマティック ウッディー

破滅の酒アブサンをイメージしたトップ。ハーブやアルモアズをあしらった、アロマティック調の香り。アブサンなどのリキュールが持つ特有の爽やかな香り立ちから、アニスやフェンネル等のスパイシーな香りをアクセントに。ラストはサンダルウッドなどウッディーが静かに広がりながら、やがてトンカビーンズなど癖になる甘さへ。多面的な解釈を可能としながらも、認識のずれを多発させるような香りに。まとまりすぎず、ばらけすぎず、様々な要素をちりばめています。

●構造
Top：アルモワズ、ラベンダー、コニャック
Middle：スターアニス、フェンネル、ジャスミン
Base：トンカビーンズ、サンダルウッド、アンバー

アーティスト

森 雅樹　Masaki Mori
http://a-yamanami.jp/

1969年生まれ、滋賀県在住。2016年から「やまなみ工房」に所属。現名古屋デザイナー学院にて、グラフィックデザインを学ぶ過程で、ジョン・ケージの手になるコンサートに出席し、アメリカ実験音楽に興味を持つ。その後、音響空間の可視化を目指し、現在進行形のドローイング作品としては、アンダーグラウンド／サイケデリック・ロックのもつ空間の拡がりを元にした「地歌」シリーズ。ジョン・ゾーン等のポスト・モダン音楽のブロック化した音像を表した「ギグ」シリーズ等がある。ハンス・ベルメールから宮西計三を思わせる神経質な線による、そのドローイングは、長い闘病生活による存在不安の亀裂をも表出している。

本作のアートワーク

消失し損ねた、身体のかげろうの断片。それらをかろうじて神経が繋ぎ止めようとする。器官は失われ、まとまりが失われたデジタルな身体。思考は宙吊りとなり、高速でひたすらに変化し続ける音楽と化す身体。以上に挙げた、言葉の実験のようなものを頭の片隅に置きながら、森氏によって制作された作品。

MITTACAはこれを、迷路に嵌り、意識が彷徨っている様子。酩酊感の中で、妖精のような何かが次々と現れては姿を変え、幻惑してくる姿とし、Illusory Fairyのアートワークに投影しました。