Stories of MITTACA
1. 俯瞰からの創造
ブランドの創始にあたり、自身の美意識を深耕することから始めた。さまざまな断片が想起され、それをアウフヘーベン(統合)していく道のり。その最終的な帰結が、「官能的・情景的で、生きているような存在感」という言葉になるのだが、途中経過で現れた観念にも、少し触れておきたいと思う。
それが、俯瞰からの創造。音楽の世界では、エリック・サティがその体現者であることを知り、共感を覚えた。この印象派音楽家は、それまでのクラシック音楽を作る技法から離れ、よりメタな視点で作曲するというアプローチで臨んだ。楽譜の中だけで完結させるのではなく、その音が流れる場所や、生まれる空気も含めての曲作りである。
MITTACAのレザーアイテムを発想するときも、「従来はどうであったか」「何が普通か」「その普通は、果たして“普遍”であろうか」という問いから始まる。より高所から俯瞰しながら、クリエイティブに臨むのが自然体だった。
初期の作品であるBloom HandとBloom Shoulderは、その陰翳の際立つ造形美をかなえるために、幾度も試行錯誤を重ねた。
マイスターの不断の努力、というより執念のようなものがなければ、生まれ出ることはなかっただろう。
